生え始めた手と足と尾と頭を使って テトラポットが泳いだ 阿武隈川を オタマジャクシとなって
鉄橋は 暴走船に何回も輪姦されて 橋脚を空に差し込んだまま 生殖を忘れた狂女となって
日ノ丸への寄せ書きが毎日 朝日に照らされ 目の高さまで登り 雨に濡れカビが生え 夕日に消されてしまう
地元の漁師の習慣では北の沖に船で逃げるのが習いだが 今 船は波の頭から落ち
次の波の壁が迫ってくる
生きて帰れねー 津波の壁に直進するしかない
抜けた先が泡風呂だった やっぱり違う世界だ
生きてるか 同じ泡星人からの無線が叫んでいた
生き残ってしまったらしい
(2013.5.9)
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